万葉線の歴史
万葉線株式会社の設立について
高岡市と新湊市を結ぶ路面電車・万葉線は、加越能鉄道によって半世紀余りにわたり運行が続けられてきましたが、近年のモータリゼーションの進展や少子化等により、市民の公共交通機関離れとともに利用者が年々減少していることなどから、加越能鉄道では、これを廃止してバス代替により公共交通の使命を果たしていきたいとの意向を示しました。
しかしながら万葉線は、1通勤・通学等沿線住民の交通手段であることに加え、2進展する高齢社会への福祉対策 3環境対策 4都市の個性の象徴として、まちづくりに活用できること 5定時性が確保できること 6高岡と新湊を結ぶ都市の絆としての役割を担っていることなどの存在意義があることから、両市では万葉線を重要な生活路線であり、かつ、両市の魅力あるまちづくりに活用すべき都市施設であると考え、第三セクターで存続させる方針を打ち出しました。
そして、富山県の指導、協力を得ながら専門家の意見を参考にして、国の補助金の導入や弾力的な企業経営が可能となる点などから、富山県並びに高岡・新湊両市間で取りまとめた、万葉線を第三セクターの新会社で運行させることについて、県議会や両市の市議会でそれぞれ了承が得られたことから、富山県の支援と両市民の参加・協力を得て万葉線株式会社を設立いたしました。
第三セクター化への経過
年月日 | 事項 |
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S23.4.10 | 富山地方鉄道、伏木線(地鉄高岡~伏木港)開通7.3km |
S25.5.23 | 加越能鉄道(株)設立、富山地方鉄道から地鉄加越線を引継 |
S26.4.1 | 富山地方鉄道、新湊線(米島口~新湊)開通3.6km 射水線(昭8年富山~新湊)を通じ、富山市西町~地鉄高岡間直通運転開始 |
S34.4.1 | 高岡軌道線(新高岡~新湊)を富山地方鉄道から加越能鉄道に譲渡 |
S41.4.5 | 富山新港開設による越ノ潟~新港東口間切断のため、射水線(新湊~越ノ潟)を富山地方鉄道から加越能鉄道に譲渡(射水線はS.55.4.1 廃線) |
S46.9.1 | 伏木線(米島口~伏木港)を廃止2.9km、現在の路線(高岡駅前~越ノ潟)となる |
S55.8.8 | 「万葉線対策協議会」(両市、両市議会、加越能、商工会議所、自治会等)を設立 |
S55.12.6 | 愛称を「万葉線」とする |
H5.10.21 | 「万葉線を愛する会」(地元法人、商工会議所、老人クラブ、個人会員等)発足 |
H8.9年度 | 県及び両市による万葉線対策調査を実施 |
H10.4.23 | 路面電車と都市の未来を考える会・高岡(RACDA・高岡)発足 |
H12.3.31 | 11年度万葉線経営改善計画調査の検討結果の報告 |
H12.5.30 | 12年度万葉線経営改善計画追加調査の検討結果の報告 |
H12.9.11 | 万葉線問題懇話会から、高岡、新湊両市が、県の協力を仰ぎ、従来の行政依存型ではなく、市民参加型の第3セクターを設立して、万葉線の存続を図るべきとの提言がされる |
H12.10 | 「両市の取組方針、資産取得費、県の支援策について概ね合意に至る」 |
H12.12 | 県・両市議会で議論し、第三セクターによる万葉線の存続が了承される |
H13.1.1 | 両市が「万葉線経営第三セクター設立準備室」を設置 |
H13.4.5 | 万葉線株式会社設立登記 |
H13.10.10 | 加越能鉄道株式会社と万葉線株式会社とで営業譲渡契約締結 |
H14.1.8 | 国土交通大臣へ事業譲渡・譲受許認可の申請 |
H14.2.14 | 国土交通大臣より、事業譲渡・譲受について許認可される |
H14.4.1 | 新会社での運行開始 |